NAZEメール

2007.10.31

NAZE事務局スタッフ「リレーコラム」:No2

○前回より、NAZEメールにおいて、事務局スタッフが交代でコラムを 隔週ごとに掲載していきます。
○日頃のNAZEの活動や、事業を通して感じたことを、それぞれの立場、目線でフリーなテーマで書きますので、、ぜひご一読いただくとともに 皆様からのご意見・ご感想をお待ちしています!
○第2回目は、プロジェクトマネージャーの市野之彬が担当します。

=白川郷合掌造りに思うこと=

・先日、世界文化遺産の白川郷合掌造り集落を見物してきました。
 あれだけの軒数の合掌造りが未だまとまって残っている様は、確かに圧巻 ですが世界文化遺産というには、いささか物足りなさを感じて帰ってきました。

・みやげ物店、民宿等であまりに商業化していたせいかもしれません。
 しかし昨日観た「NHKスペシャル」で、なぜ世界遺産に指定されたかという疑問が解けました。番組によると白川郷の合掌造りは「結;ゆい」と いう制度で維持されてきたこと、この事実が世界文化遺産指定に大きく貢献したと報じていました。

・「結」とはその地域に住む人が田植えなど多くの人の協力を必要とするとき、互いに頼まれて力を貸すことであり、日本では昔から広く行われてきた制度です。合掌造りの場合、あの急傾斜で危険な大きな萱葺き屋根を葺き替えるには400~500人の人手間が必要であり、「結」が機能し多くの村人の協力を得られてこそ、現代まで合掌造りを維持できたことになります。

・しかし、皮肉なことに世界遺産に指定されてから約10年、「結」の制度で1軒も葺き替え作業がなされていない。
人間関係が希薄になった現代、果たしてまだ「結」が機能し、多くの人達の協力により葺き替え作業が可能なのか、番組では長瀬家の葺き替え作業を例に計画の段階から完成までを克明に追ってゆきます。

・その過程で葺き替え作業の元締めを任された長男が、1件1件村の家を回り協力をお願いする様子、4年間考えた末に合掌造りの家を維持することをあきらめ取り壊した家族の紹介、一万数千束必要な萱の調達の困難さ等々が映し出されます。

・そしていよいよ葺き替えの当日、村中の人のみならず県外からも人々が続々と手伝いに集まり「結」が見事に機能したことが映し出されます。屋根一面に葺き手がへばりつき、これに萱を手渡しする人たちが地上にひしめき合う。
そのシーンを見たとき思わず涙がこぼれそうになりました。

・人間もまだ捨てたもんじゃない。現代の人はとかく「結」のように労力の貸し借りをする濃い人間関係を嫌います。義理とか人情に頼るより金で解決できればこれに越したことはないと考えます。しかし世界文化遺産の選定委員会はあえて白川郷の合掌造りを世界遺産に指定することで、その維持システムの素晴らしさを現代の人に知らしめようとしたのだと。

・残念なことに番組に取り上げられた長瀬家、バスの添乗員が紹介してくれなく見物できませんでした。

プロジェクトマネージャー 市野 之彬

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※古き良き日本のどこでも見られた、地域の連帯感は年々失われてきており、希薄な人間関係が、大きな社会問題を引き起こす要因にもなっています。
 今こそ、「結(ゆい)」のような、相互協力し合える仕組みが見直されているのでないでしょうか。
 NAZEも、地域において、そんな機能を発揮できる活動を目指していきたいと思います。

次回は、地域連携コーディネーター福島忠男が担当します。お楽しみに! ・・・ No3を見る







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